私が先生を殺した

私は“善人”か、それとも“悪人”か。
「ねえ……あそこに誰かいない?」。全校生徒が集合する避難訓練中、ひとりが屋上を指さした。
そこにいたのは学校一の人気教師、奥澤潤だった。奥澤はフェンスを乗り越え、屋上から飛び降りようとしていた。
「バカなことはするな」。教師たちの怒号が飛び交うも、奥澤の体は宙を舞い、誰もが彼の自殺を疑わず悲しんだ。
しかし奥澤が担任を務めるクラスの黒板に「私が先生を殺した」というメッセージがあったことで、状況は一変し……。
語り手が次々と変わり、次第に事件の全体像が浮き彫りになる。秘められた真実が心をしめつける、著者渾身のミステリー!

語り手が代わることで、同じ時期の同じ事象でありながら、それぞれの視点、思惑が絡まって物語が面白くなっています。
また、黒板に残された「私が先生を殺した」というメッセージが、それぞれの語り手に心当たりがあるようになっていて、ミステリー感をうまく演出しています。
でも、実はそのメッセージの意味・・・ってね。

こちらの作品もまた面白かったです。