ベルサイユの子
家を持たない23才の母と6歳の少年。
食べ物と寝る場所を探す生活を長いこと続けています。
少年はいくらお腹が空いても、寒くても、何も言いません。
ただ 「手を握って」 と母に言います。
それですべてが我慢できるのです。
ある日、2人はベルサイユ宮殿のすぐ近くの森で道に迷い、そこで同じような境遇の男に出会いました。
その男の小屋で1泊させてもらえることになった2人。
翌朝、男は母親が居なくなっていることに気付きます。
すぐに帰ってくるだろうと待ちましたが、母親が帰ってくることはありませんでした。
少年は気丈に振り舞いますが、母が恋しいのでしょう。夜寝るときになると 「手を握って」 と男に言います。
盛り上がりはなく淡々と話が進む静かな作品です。
少年は、なんとか学校に通えるようになりますが、友達は一切できません。
母に捨てられ、そして再び信じていた者に捨てられるという悲劇の子。
これはやるせないな。
10年くらい経って、再会した母と抱き合うというエンディングですが、自分を捨てた母と普通抱き合えるのかしらと思ったり。
いろいろ考えさせられますが、少年が不憫すぎるのでおすすめしません。
評価 4点
★★★★☆☆☆☆☆☆
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