あひる
あひる
今村夏子
今村夏子
我が家にあひるがやってきた。知人から頼まれて飼うことになったあひるの名前は「のりたま」。娘のわたしは、2階の部屋にこもって資格試験の勉強をしている。あひるが来てから、近所の子どもたちが頻繁に遊びにくるようになった。喜んだ両親は子どもたちをのりたまと遊ばせるだけでなく、客間で宿題をさせたり、お菓子をふるまったりするようになる。しかし、のりたまが体調を崩し、動物病院へ運ばれていくと子どもたちはぱったりとこなくなってしまった。2週間後、帰ってきたのりたまは、なぜか以前よりも小さくなっていて……。なにげない日常に潜む違和感と不安をユーモラスに切り取った、著者の第二作品集。
不思議な魅力を持つ今村ワールド。
ハッキリとはしないんだけど、不穏な雰囲気をうすーく、うすーく出してきて、途中で読むことを止めるのが難しい。
今回も本作品を通して自分の中に巻き起こる複雑な感情を楽しませてもらいました。