運転者
中年にして歩合制の保険営業に転職し、三年目の修一。しかし、なかなか思うように成果が上がらない日々を過ごしていた。ある日、唐突な担当顧客の大量解約を受け、いよいよ金銭的にも精神的にも窮地に追いやられてしまう。妻が楽しみにしていた海外旅行計画はキャンセルするしかない。娘は不登校に陥っているうえに、今後の学費の工面も難しくなるだろう。さらに長い間帰れていない実家で一人暮らしをしている、母からの電話が心にのしかかる。「……なんで俺ばっかりこんな目に合うんだよ」思わず独り言を言ったそのとき、ふと目の前に、タクシーが近づいてくるのに修一は気がつく。それは乗客の「運」を「転」ずるという摩訶不思議なタクシーで――?
人生のどん底と思われたときに現れた不思議なタクシー。
運転手との会話から、これまでの人生や先祖に思いを馳せ、今を生きることに感謝していく話。
そこに絡むのが「運」ということで。
運はポイント制。
運を使うチャンスは上機嫌のときに最大化する。
運は使い切らず、次世代に繋ぐことができる。
なかなか深くて感動的なお話でした。
疲れているとき、しんどいときに読むと良い本ですね。
さくっと読めます。
評価
4点 ★★★★☆