ばくうどの悪夢

「眠れば、死ぬ」 東京から父の地元に引っ越してきて以来、悪夢に悩まされていた「僕」は、現実でもお腹に痣ができていることに気づく。 僕だけでなく、父親の友人の子供たちもみな現実に干渉する悪夢に苦しめられていた。 やがて、そのうちひとりが謎の死を遂げる。 夢に殺されたのか。次に死ぬのは誰か。なぜ、悪夢を見るのか。 理由を探る中でオカルトライターの野崎と真琴からお守りをもらい、僕らの苦悩はいったん静まったかのように思われた。 しかし、今度は不気味な黒ずくめの女に襲われる悪夢を見るようになる。 「比嘉琴子」と名乗るその女は、夢の中で僕を殺そうとしてきて──。

夢の中で怪異に襲われるため、眠ることを避けるわけですが、人間ですからまったく寝ないということは不可能で・・・。
そして、怪異に捕まって死んでしまう。
ここまではよくありそうな話。

とある理由で、途中から夢の内容が逆転します。
悪夢ではなく、幸せな夢を見るんです。
現実よりもはるかに幸せであり、自分の理想とする世界を見せられたとき、人は現実と夢(死)のどちらを選ぶのか。

大変興味深く、考えさせられるお話です。

評価

10点 ★★★★★★★★★★