夏の終わりに君が死ねば完璧だったから
夏の終わりに君が死ねば完璧だったから
斜線堂有紀
斜線堂有紀
片田舎に暮らす少年・江都日向(えとひなた)は劣悪な家庭環境のせいで将来に希望を抱けずにいた。
そんな彼の前に現れたのは身体が金塊に変わる致死の病「金塊病」を患う女子大生・都村弥子(つむらやこ)だった。
彼女は死後三億で売れる『自分』の相続を突如彼に持ち掛ける。
相続の条件として提示されたチェッカーという古い盤上ゲームを通じ、二人の距離は徐々に縮まっていく。
しかし、彼女の死に紐づく大金が二人の運命を狂わせる──。
壁に描かれた52Hzの鯨、チェッカーに込めた祈り、互いに抱えていた秘密が解かれるそのとき、二人が選ぶ『正解』とは?
コーヒー屋さんで読んでいたんですが、これは泣いてしまうかもと思って、残りは自宅で読みました。
最後のほうで、ホロッときたので、この判断は正解でした。
死ぬことで3億の価値となる女性の身体は、生きている現在の価値を超えているのか。
治療法のない致死性の病を患う女性と、彼女を慕う中学生男子の未来が見えない、儚く悲しい純愛のお話。
おじさんが読むような本ではない気がしますが、たまには良いでしょう。
評価
8点 ★★★★★★★★☆☆