英国王のスピーチ
吃音症のため、人前で話すことに恐怖を覚える ヨーク公。
一番の恐怖は国王である父の死後、長男の デイヴィッド ではなく、自分が国王となってしまったらどうしようということ。国王の仕事に演説はつきもの。しかも、重要な場面ばかりです。普通は長男がこれを継ぐものですが、 デイヴィッド は国のことより自分のことが大好きな人間で、国王の器ではありません。
そのあたりのことは国王もよく承知しており、以前から 「お前が国を治めろ」 と ヨーク公 に話していました。公式な声明ではありませんが、直接そのような話をされているために、ものすごいプレッシャーです。
時は流れて国王が最期のときを迎えました。
亡くなる直前、長男の デイヴィッド を推している側近が、意識朦朧の国王から 「次期国王をデイヴィッドにする」 書かれた書類に強引にサインをもらいます。
ヨーク公 はホッとしたのですが、後に国よりも彼女(アメリカ人で2度の離婚歴がある平民)との結婚を選んだ デイヴィッド が国王の座を退きます。王族は離婚歴のある女性との結婚は認められていないのです。
結果、望んでもいない、そして恐怖の対象でもある国王の座に就くこととなった ヨーク公 ですが、彼もじっとしていたわけではありません。奥さんが探してきたお医者さんの元に通いながら、必死に吃音を克服しようと努力しているのです。
何度も壁にぶつかりながらも、彼はドイツとの開戦を宣言する非常に重要なスピーチを見事に成功させました。影で
彼を支え続けた奥さんと、あくまでも友達として対等な立場で協力を惜しみなく続けたお医者さん、そして彼自身の努力によって。
ということで、吃音を乗り越えることもそうですが、国王としての成長もあわせて観ることのできる良い作品でありました。
国王を演じた Colin Firth は、第83回アカデミー賞において主演男優賞を受賞。他にも作品賞、監督賞、脚本賞を受賞した作品です。
また良き妻を演じた Helena Bonham Carter は助演女優賞にノミネート。お医者さんの Geoffrey Rush も助演男優賞にノミネートされています。
Helena Bonham Carter は未婚ですが、Tim Burton がパートナーだそうで、1児の母です。なんかうまく言えませんが、なるほどねって感じ。雰囲気やお顔が Tim Burton の作品のイメージとピッタリな感じがするんですよね。
Geoffrey Rush は、レ・ミゼラブルで演じた ジャベール警部 の印象が強いです。渋くて素敵なおじさまなので好きです。
評価 8点
★★★★★★★★☆☆
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